愛犬にさよならを告げる千葉館山ライド

妻氏がまた週末、子供を連れて義母と温泉に行ってくれるという。

 

というわけで一人遊びの時間を与えられたブレロは、再び自転車キャンプをすることにした。今回の目的地は、前回行こうと思って行けなかった千葉・館山である。

 

といっても、行く直前までブレロは悩んでいた。翌日風が強くなりそうだったからである。しかし、天気予報は徐々に変化し、直前の予報では翌日午前10時くらいから強くなる、とのことだった。「それならば、朝早くチェックアウトして帰路につけばよい」と考え、結局出発することにした。

 

館山駅に着いたら、まずお昼を食べることにした。漁港が近いのだから、当然シーフードを食べるべきであろう――そう思い、とまや食堂で海鮮丼を食べた。おいしかった。

 

食べ終わったら、キャンプ場を目指してライドする。ただ、その前に館山夕日桟橋にちょっと寄り道した。前回ここを訪れたときは初夏だったなあ。時間がたつのは早いものだ。

 

館山駅から目的地のお台場海浜庭園までは約24キロもある。途中にちょっとした坂もいくつかあるので、いい運動になった。チェックインしてテントを張ったら、食料とお酒の買い出しに行かないといけない。キャンプ場の近くにはコンビニやスーパーがなく、最寄りのコンビニまで10キロも離れているので、これまたいい運動になった。

 

買い出しが終わっても日が沈むまでにはまだ時間があった。そこで、庭園の隣にそびえたつ洲埼灯台を見学してみることにした。残念ながら中には入れなかったが、展望台からはキャンプ場と太平洋の海を見渡せた。

 

館山駅に着いたときは空のほとんどが分厚い雲に覆われていたが、夕暮れ時になるとほとんど雲がなくなっていた。そのおかげで、このキャンプ場の最大の美点である素晴らしい夕焼けを鑑賞することができた。

 

今回のキャンプは、先ごろ早逝してしまったブレロ2号を悼む旅でもある。大海原にゆっくりと沈む夕日をみたあとは、ぼんやりとブレロ2号ことを思いながら、夜の闇の中で焚き火をしてすごした。さざ波の音と、薪の時折はぜる音が、感傷的になったブレロの心にしみた。

 

午後9時ごろに寝袋の中に入ったが、午後10時ごろから急に風が強くなって驚いた。午前0時ごろにはもっと強くなり、テントがひっくり返らないか心配になった。Yahoo!、tenki.jp、ウェザーニュース、気象台とあらゆるサイトの天気予報をスマホでチェックしてみてみたが、館山市の現在の風速は2キロ~3キロとしか表示されない。風が強くなるのは、事前に調べたときと同じで、翌日午前10時ごろと表示されている。だが、現実は明らかに違う。午前1時近くになっても予報に変化はなく、不思議で仕方がなかった。

 

唯一、正しい情報を表示していると思われたのが、海天気.jpというサイトである。これはおそらく海釣りをする人のための洋上天気の予報サイトだろうが、内陸の天気情報も調べることができる。このサイトでは、午前1時時点で現在の風速が10キロと表示されていた。相当な風の強さだ。しかしわがNaturehikeのテントを張った方向がよかった(テントの横腹に風が当たらないようにした)のか、テンションロープをしっかりと地面にペグダウンしていたおかげか、なんとかテントは持ちこたえてくれた。

 

それに、不思議な心持ちだが、ブレロ2号が、テントが破壊されないように守ってくれているという確信も、ブレロの中にあった。そのせいか、嵐のような一夜を過ごしながら、ブレロ2号がすぐそばにいるような感じがしてならなかった。おそらく午前2時くらいには寝落ちしたのではないかと思う。

 

翌朝はすっかり風が弱まって快晴であった。午前7時から午前8時まで、残りの薪を使って焚き火しながら青空の下で朝食をとった。最後の薪が燃え尽き、その煙が空に昇っていくのをみたときに、これまた不思議な心持ちだが、ブレロ2号がはっきりと自分にさよならを告げたような、そんな感覚に襲われた。そしてさみしくなった。

 

約10年一緒に過ごしたブレロ2号。ここでブレロがさよならを言えないと、彼女も困るだろうなあ。僕はいい飼い主だったとはとてもいえないかもしれないけど、もう時間はもとに戻らない。もう1回君の飼い主をやることはできない。だからせめてしっかりとさよならを言わないとね。わが家に来てくれて、10年一緒に過ごしてくれて、本当にありがとう。

 

 

↑今回のライドのショートムービー