Microadventure
オフロード用に作られたBromptonであるExplore Edition。そのプロモ用に作られた以下の動画は、ブレロが大好きな動画の一つである。
メインキャストにAlastair Humphreys(以下、「アル」)が起用されている。彼が友人Temujin Doran(以下、「テムジン」)とともにロンドンを脱出し、長年温めていた計画――スコットランド最高峰Suilven山に登ってキャンプするという計画――を実行するという内容の動画になっている。
テムジンは新進気鋭の映像作家。本動画は彼が主宰するStudiocanoeという会社によって制作されている。
アルのきちんとした肩書はよくわからないが、あえていえば冒険作家だろうか。本動画の最初に登場するキャビンは、アルが自分で建てた彼の仕事場である(彼はこれをshedと呼んでいる)。アルはここで次の冒険の想を練ったり、本を書いたり、講演原稿などを執筆しているようだ(写真はインラインリンクで表示)。
冒頭に表示される「alpkit」は、イギリスのアウトドア用品メーカー。この会社はアルのスポンサーかもしれない。動画の中で彼らが使用しているウエアやテントは、当然この会社の製品だろう(日本にはまだ輸入代理店がないようだ)。
アルは、帆船による大洋横断や自転車での大陸横断といった「大冒険(grand adventure)」をいくつも経験している冒険家であるが、彼がユニークなのは「小冒険(microadventure)」という概念を提唱していることだろう。南極までスキーしたりパタゴニアの大草原まで行かなければ、冒険ができないわけではない、冒険のだいご味というのは、いつでも一般人の手の届く範囲に転がっている、というのが彼の主張である。
ブレロにとって理想の武論富敦旅とは、この意味での「小冒険」を形にしたものだと思う。都会の路地や田舎の裏道を好んで走るのは、そこに予測もつかない景色や小さな発見が待っているからである。
とはいえ「小冒険」といえども一応冒険の類であるから、そこには不便や不都合がつきものである。林道の予期せぬ通行止めとか、行ってみたらグラベルなのがわかって遠回りとか、いろいろあるなあ。