富士山へとまっすぐに進む須山ライド

3月21日に妻氏が息子のブレロ3号を連れて実家に帰省することになったので、突然、ブレロにサイクリングの機会が訪れた。

 

もっとも、この時期はどこでサイクリングするか悩む時期でもある。ブレロがこれまで走って気に入ったルートの多くは北から南に走るか、西から東に走るため、南又は南東の風が吹きやすいこの時期には走りにくい。梅はもう終わっているが、桜が咲いているところは(関東では)まれだ。

 

そんなことをぼんやり考えながらインスタグラムのおすすめ画像をみていたら、富士山の画像が多いことに気が付いた。そしてブレロは思いついた。冠雪豊かな今の時期の富士山を間近でみることができたら、いいサイクリングになるのではないか。

 

真っ先に思い浮かんだのは、須山のあたりで富士山一周サイクリング(富士イチ)にも使用される国道469号を走るルートである。このあたりは噴火の影響で樹木がないので、間近に富士山の威容を拝むのには最適な場所だ。

 

具体的にはJR東海の岩波駅まで輪行し、そこからパノラマ・ロードと呼ばれる一本道の坂をヒル・クライムして、大野路交差点で国道469号に合流し、そのまま国道を御殿場のほうへ下っていくコースを設定した。

 

梅の季節は過ぎてしまったけれども、まだ咲き残っている梅もそこそこあることを期待して、裾野市梅の里にも寄ることにした。

 

岩波駅から大野路交差点までは約8.5キロで、標高差は約390メートルである。20キロくらい走って1260メートル登る乗鞍と比べればどうってことはない坂だが、ミニベロしか乗らないブレロの貧脚にはけっこうこたえるヒル・クライムであった。人によっては6速のBrompton(前50T)でも登り切れると思うが、ブレロにとっては12速の2号機のおかげでなんとか登れ、筋肉痛にもならなかったといった感じ。途中、梅の里に寄って休んだことも大きかったと思う。

 

梅の里には残念ながらほとんど梅が咲いていなかったが、人気のない広大な公園をぶらぶら歩いているだけでも楽しかった。車道から離れた静かな場所であり、富士山を間近に感じることもできるので、ここでお弁当(といってもカロリーメイトだが…)をとったのは大正解だったと思う。

 

梅の里からもう少し登れば大野路交差点に到着する。ここから国道469号沿いにしばらくの間、御殿場方面へと樹木のない荒涼とした風景が続く。秋ともなればこのあたりに一面に生えた薄が夕日を浴びて黄金に輝く素晴らしい景色が見ることができるのだが、今は残念ながら野焼きしたあとの荒々しい景色しかみることができない。それでも、そのような荒涼とした風景の奥にそびえたつ富士山の威容を実際に目の当たりにすると、何か得体のしれない感情がブレロの心の奥から湧き出てきた。やっぱり富士山ってすごい。

 

国道469号を下っていくと、道沿いに山崎精肉店がある。以前、このあたりでキャンプをしにきたときに偶然みつけたお店なのだが、メンチカツがとてもおいしかったことを記憶していたので、今回は必ずここに寄ることにしていた。再びメンチカツをいただいて、ぼんやりとした記憶の中のおいしさを大幅に超えてくるおいしさがブレロの舌を直撃し、ガツーンと頭を殴られたような気がした。「えっこんなにおいしかったっけ、いやおいしいことはわかっていたけど…」という感じである。

 

御殿場市内に入ったあとは、秩父宮記念公園に寄る。秩父宮ご夫妻が戦中・戦後にお住まいになった邸宅が保存されている公園である。うっそうとした林を抜けた奥に瀟洒な藁ぶきの家が建っているが、これがその邸宅であった。今は記念館として誰でも中に入ることができる(ただし動画撮影は許されていない)。ここで秩父宮殿下は実にスローな生活を過ごしておられた。畑仕事をしたり、焼き物を造ったり、登山をしたり…。なんともうらやましい限りだが、自由恋愛はできず、それでも愛した妃殿下との間に子供もなく、結核に苦しんでおられ、療養のためにここで生活されていたのだから、色々大変だったろうと思う。

 

 

↑今回のライドのショートムービー

 

本ライドのルート記録